
ChatGPT(チャットGPT)は2024年4月よりアカウントを作成していないユーザーや、ログインしていないユーザーでもチャット機能を利用でき、誰でも気軽にChatGPTとのやりとりを行えるようになりました。
このように、利用ハードルが下がることでビジネスやプライベートでも活用しやすくなった一方で、入力したデータが学習に使用される可能性があったり、これまでのやりとりの履歴を保存できず、過去に入力したプロンプト(指示文)と回答を確認できなかったりするなど、注意点もあります。
この記事では、ChatGPTを無料かつログインなしで利用する際の使い方や、ログインせずともできること、利用する際の注意点などをご紹介します。
※本記事では、2024年12月時点の情報を掲載しています。
ChatGPT(チャットGPT)は無料かつログインなしで利用できる
ChatGPTは、OpenAI社が提供するAIツールで、高性能な大規模言語モデルを搭載していることから、人間と会話しているかのような自然なやりとりが可能です。また、文章の生成や校正・校閲、画像生成など幅広い作業が行えることから、ビジネス・プライベートを問わず多くのユーザーに利用されています。
このようなChatGPTですが、2024年4月1日より、アカウントを作成していないユーザーもログインなしで利用できるようになりました。アカウント作成にはメールアドレスやパスワードの設定など手間がかかるため、これまでは気軽にChatGPTの機能を体験できなかったものの、ログインを必要とせずに利用できるようになったことから、より多くのユーザーがChatGPTを試しやすくなったといえます。
参照:ChatGPT を今すぐ使い始めましょう (2024年4月1日)|OpenAI
Webブラウザ・アプリどちらでもログインなしで利用可能
ChatGPTは、Webブラウザ版やスマートフォン・タブレットのアプリケーション版がありますが、どちらもログインなしで利用できます。
ChatGPTのWebサイトやアプリを起動することですぐにチャット画面が開くため、素早くプロンプトを入力し、やりとりを始められるでしょう。
ChatGPT(チャットGPT)のログインなしでの基本的な使い方
ChatGPTをログインなしで使う際は、公式サイトにアクセスすると以下のような画面が表示されます。

引用:ChatGPT
「ChatGPT にメッセージを送信する」と書かれたプロンプト入力画面に、調べたいことやChatGPTに依頼したいことを記入すると、チャットのやりとりを始められます。
入力内容が思いつかない場合は、プロンプト入力画面の下にある「アドバイス」「テキストを要約する」などをクリックすることで、サンプルのプロンプトを用いて会話ができます。

引用:ChatGPT
なお、スマートフォン用アプリでは、アプリを起動すると以下のような画面が表示されます。

Webブラウザ版と同様に、「メッセージ」と書かれた欄にプロンプトを入力でき、「プログラミング ゲームを設計」といった項目をタップすることで、サンプルのプロンプトを使用できます。
そのほかのログインなしでChatGPTを使用する際の基本的な使い方は、次のとおりです。
新しいチャットの作成

引用:ChatGPT
ChatGPTの画面左上にあるメモのアイコンをクリックすると、新しいチャット画面を開けます。
やりとりの話題を切り替えたいときや、これまでのやりとりを引き継いでしまい正確な回答が得られないときなどは、新しくチャット画面を作成し直すことで、それまでに行っていたやりとりの内容をリセット可能です。
なお、ログインせずにChatGPTを使用する際は、複数回プロンプトを送信することで、以下のようなメッセージが表示されますが、送信制限がかかったわけではないため、気にせずそのままプロンプトを送信できます。

引用:ChatGPT
役割の指定

引用:ChatGPT
ChatGPTでは「明日の北海道の最高気温は?」など簡単な問いかけにも答えられますが、「〇〇に関する記事を執筆してほしい」「美容に関するノウハウを教えてほしい」など依頼をする際は、その分野に特化したプロの目線での回答が得られるように、「あなたはプロのライターです」「あなたは美容研究家です」といったように、あらかじめChatGPTに役割を指定することで、より精度の高い回答が出力されやすくなります。
また、ChatGPTに役割を指定するだけでなく、「私はAI研究を専門に仕事をしています」「私はAIの扱いに不慣れな初心者です」といったように、自身の状況もプロンプトで伝えることで、ChatGPTがユーザーの知識レベルに合わせて回答時に専門用語を多く使ったり、初心者でもわかりやすい言葉を使ったりするなど調節をしてもらえます。
ChatGPT(チャットGPT)は無料のアカウントを作成しての利用が便利
ここまで、ChatGPTをログインなしで利用する際の基本的な使い方をご紹介しました。ログインをせずともChatGPTでは無料で文章の生成や要約などが行えますが、アカウントを作成し、ログインすることでより多くの機能を活用できるようになるため、便利です。
例えば、ログインをせずにChatGPTを使用していた場合、プロンプト入力画面に表示されているクリップのアイコンにマウスカーソルを合わせると、「ファイルを添付することはできません」と表示されます。

引用:ChatGPT
ここでは、画像やドキュメント、PDFなどのファイルを添付でき、添付ファイルの情報をもとにデータ分析や文章の要約などが行えますが、ログインをしなければ利用できません。
また、ログインなしの状態でも、ChatGPTのプロンプト入力画面には、「画像を作成する」という項目がありますが、実際に画像を作成しようとすると、「ログインすると無料で画像を作成できます」という表示とともにエラーメッセージが出力されます(2024年12月時点)。

引用:ChatGPT
そのため、画像生成を行おうと考えている方は、ログインなしでも利用できる画像生成AIツールを使用するか、ChatGPTへのログインが必要です。
なお、ChatGPTでは画像生成にDALL·E 3という画像生成AIを用いています。簡単なプロンプトからでも本格的な画像を生成でき、画像生成初心者の方にも扱いやすいため、画像生成を行いたい方はぜひChatGPTにログインしてお試しください。
ChatGPT(チャットGPT)のアカウントを作成する方法
ここまでご紹介したように、ChatGPTでは無料のアカウントを作成し、ログインしたうえで利用するのがおすすめです。ChatGPTでのアカウントの作成(サインアップ)方法や、ログイン後に表示される画面については、次のとおりです。
アカウントを作成する手順
ChatGPTでアカウントを作成する際は、公式サイトにアクセスし、画面右上の「サインアップ」をクリックします。

引用:ChatGPT
「サインアップ」をクリックすると、以下のような画面が表示されるため、メールアドレスを入力してアカウント作成を進めましょう。

引用:ChatGPT
このとき、Google アカウント、Microsoft アカウント、Apple アカウントのいずれかを持っている場合は、そのアカウントにログインすることで、そのままChatGPTのアカウントを作成できるため、簡単にアカウントの登録作業を進められます。
ログイン後の画面
ChatGPTのアカウントにログインすると、以下の画面のように、多くの項目が表示されるようになります。

引用:ChatGPT
画面左側のサイドバーでは、ログインなしの場合は新しいチャットを作成するアイコンのみが表示されていましたが、過去のチャット履歴や履歴の検索、ほかのユーザーが作成したオリジナルのChatGPTを利用できる「GPT を探す」(GPTs)が表示されています。
また、プロンプト入力画面では、ファイル添付以外にも、画像生成やWeb検索などのツールや、音声入力機能が利用可能です。

引用:ChatGPT
ChatGPTのPCやアプリでの導入方法について詳しくは、以下の記事をご確認ください。
ChatGPT(チャットGPT)でログインなしでもできること

ここまで、ChatGPTでのアカウント作成方法や、ログイン後の画面をご紹介しました。中には、「多くの機能がログイン後に使えるようになるのであれば、ログインなしでできることはほとんどないのではないか?」と考える方もいるのではないでしょうか。
ChatGPTでは、ログインなしでも以下のように文章生成や要約、翻訳、コードの生成・修正、情報の検索などが行えます。
上記のように、チャットを用いたやりとりはログインユーザーと同様に行えます。ただし、「ChatGPT(チャットGPT)は無料のアカウント作成が便利」でも触れたように、画像生成やファイル添付はログインしなければ行えないため、ご注意ください。
そのほかにChatGPTでできる面白い使い方は、以下の記事でご紹介しています。ログインせずに行えるものも含まれているため、こちらもあわせてご参考にしてください。
ChatGPT(チャットGPT)をログインなしで使用する際の注意点

ここまで、ChatGPTにログインせずともできることをご紹介しました。ログインなしでもさまざまな作業ができる一方で、ログインをしないことで以下のような注意点もあるため、利用前に押さえておきましょう。
偽サイトに注意する
ChatGPTは利用者も多く、知名度の高いAIツールのため、公式サイトと酷似した偽サイトに誤ってアクセスしてしまうケースもあります。ChatGPTはログインなしで、サイトを開いてからすぐにチャットを開始できるようになったことから、偽サイトに気づかずそのまま利用を始めてしまい、個人情報などを盗まれてしまうリスクもあるため、チャットを始める前に必ずURLなどを確認し、正しいサイトであるかを確認しましょう。
なお、正式なChatGPTのサイトにアクセスするためには、OpenAI社の公式サイト(https://openai.com/)にアクセス>「Products」をクリック>「ChatGPT login」からChatGPTにアクセスしたり、ChatGPTの公式サイト(https://chatgpt.com/)をブックマークなどに保存したりする方法があげられます。
入力した情報が学習に利用される可能性がある
ChatGPTでは、ログインすることで自身が入力したデータを学習させないオプトアウト設定が可能です。しかし、ログインせずに利用すると、オプトアウト設定が行えないため、入力した情報がChatGPTのモデルの学習に利用される可能性があります。
そのため、業務で扱う機密情報や個人情報など、学習データに利用されることで情報漏えいにつながる情報は、ログインなしで利用する際は入力しないようご注意ください。なお、ログイン時もオプトアウト設定はデフォルトではオフになっています。上記のような重要な情報を入力する際は、必ずオプトアウト設定がオンになっているかを確認しましょう。
入力した情報や個人情報の取り扱いについて詳しくは、ChatGPTの利用規約やプライバシーポリシーもご確認ください。
過去のやりとりを保存できない
ChatGPTをログイン状態で使用する場合、過去に行ったやりとりが保存され、サイドバーに一覧で表示されるため、当時使用したプロンプトや回答をすぐに確認できます。
しかし、ログインせずにChatGPTを使用した場合、過去のチャット履歴は保存できないため、過去にどのようなプロンプトを送ってどのような回答が得られたかを確認できません。また、ログインなしでChatGPTとのやりとりを行う場合、新しいチャットを作成すると、これまでにチャット画面上でやりとりしていた内容もリセットされてしまいます。そのため、ChatGPTとの過去のやりとりを保存したい場合は、ログインをした状態で利用するのがおすすめです。
また、ChatGPTにログインすると、メモリ機能が利用できます。ChatGPTがすべてのチャットにおけるやりとりを通してユーザーから伝えられたことを記憶できるため、ユーザーの好みなどを把握し、パーソナライズされた回答を出力できるようになる点も便利でしょう。
プロンプトの編集、回答の読み上げなどができない
ChatGPTでは、ログイン状態でチャットを開始した場合は、プロンプトの編集、回答の音声読み上げやコピー、回答の評価、回答の再生成が行えます。しかし、ログインなしで利用した場合は、以下の画像のように回答のコピーのみが可能です。
特に、ChatGPTではOpenAI社が提供する豊富なモデルを用途に合わせて使い分けられる点が特長で、モデルを変更することでよりよい回答が得られる可能性があるため、なるべく精度の高い回答を得たい場合は、ログインして利用することをおすすめします。
ChatGPT(チャットGPT)以外の無料かつログインなしで利用できるAIツール
ここまで、ChatGPTをログインなしで利用する際にできることや、ログインせずに利用する際の注意点などをご紹介しました。最後に、ChatGPTと同様に、無料かつログインなしでも利用できるそのほかのAIツールをご紹介します。
Microsoft Copilot
Copilot(コパイロット)は、Microsoft社が提供するAIアシスタントで、かつては「BingAI」という名称でした。ChatGPTと同様に、チャット形式でAIとのやりとりが行えるため、気軽に質問や相談、文章生成、翻訳といった依頼が可能です。やりとりを行う際のチャット画面もChatGPTと似ているため、もともとChatGPTを利用していたユーザーにとっても使いやすいでしょう。
なお、Copilotでは画像生成や、プロンプト入力画面の「+」から画像のアップロードが行えます。ただし、ログインなしで利用する場合は画像生成およびアップロード機能は使用できないため、Microsoft アカウントでのログインが必要となります。
CopilotとChatGPTの違いについてご紹介している記事もあるため、ぜひあわせてご覧ください。
Felo
Felo(フェロ)は、情報検索を得意としたAI搭載の検索エンジンです。Webの情報だけでなく、XやTikTokなどSNSの最新情報も収集することから、リアルタイムで更新される情報の検索にも役立ちます。

引用:Felo
Feloで情報を検索すると、上記のようにプロンプトに対する回答や、回答に使用された情報源とその関連度が表示されるため、情報の真偽の確認に役立つでしょう。
また、Feloでは以下のようなマインドマップを作成できる点も特長です。マインドマップを用いることで、新たなアイデアを得たり、回答内容の概要を理解したりするのに活用できます。

引用:Felo
Perplexity
Perplexity(パープレキシティ)は、Feloと同じくAIを搭載した検索エンジンです。海外発のAIツールですが、日本語にも対応しています。

引用:Perplexity
Perplexityでは、情報を検索した際に、画面上部に情報源が表示され、画面右側には画像や動画の検索結果が表示されます。基本的な使用方法や画面の構造はFeloと大差はないものの、PerplexityとFeloでは、情報を検索する際に、フォーカスできる情報源の種類が異なります。
どちらもWeb全体や学術論文に絞った検索は行えますが、Perplexityは数学に特化した情報検索が、FeloではSNSに絞った情報検索が可能です。それぞれの強みを理解したうえで使い分けることで、より情報検索の効率を高められるでしょう。
Brev AI
Brev AI(ブレブ AI)はログインせずに無料で利用できる音楽生成AIです。以下のように、「曲の説明」欄に作成したい音楽の内容を記述することで、自動的に音楽が作成されます。生成する音楽は歌詞や音声つきのものやインストゥルメンタルから自由に選択でき、カスタムモードをオンにすることで、タイトルや音楽のスタイルなどもカスタマイズ可能です。

引用:Brev AI
なお、生成された音楽は共有やダウンロードも可能で、歌詞・音声つきの音楽を生成した場合は画面右側に歌詞が表示されます。
ChatGPTにも音楽生成機能はありますが、ログインなしでは利用できないため、音楽を作りたいという場合はBrev AIを用いることをおすすめします。
まとめ
この記事では、ChatGPT(チャットGPT)を無料かつログインなしで利用する際の使い方や、ログインせずともできること、利用する際の注意点などをご紹介しました。
ChatGPTは、ログインをしていない場合もチャットでの情報検索や文章生成、要約などが行えるため、アカウントを作成していない方や、試しに使ってみたいという方も気軽に利用できる点が特長です。
ただし、一部の機能しか利用できない点や、これまでのやりとりの記録を残せない点で不便に感じる場合もあるため、さらにChatGPTを活用したい方は、ぜひ無料のアカウントを作成してみることをおすすめします。