
昨今では、ChatGPTをはじめとするさまざまな生成AIが誕生しており、「BingAI」という言葉を耳にしたことがある方もいるでしょう。BingAIはMicrosoft社が提供する生成AI技術ですが、その概要を知る前にそもそもBingとは何かについても知っておくことが大切です。
この記事では、BingやBingAIとは何か、BingAIによって実現された「Bing Chat」では何ができたのかなどを詳しくご紹介します。
Bingとは?
Microsoft Bing(以下、Bing)とは、Microsoft社が提供している検索エンジンのことです。検索エンジンとは、ユーザーが検索したキーワードと関連性の高い情報を表示するためのシステムのことで、GoogleやYahoo!などは検索エンジンに分類されます。
BingはよくMicrosoft Edge(以下、Edge)と混同されがちですが、Bingは検索エンジンであり、Edgeはブラウザであるといった違いがあります。
ブラウザとは、Webサイトをさまざまなデバイスで閲覧するためのソフトウェアのことで、Google ChromeやSafariなどがブラウザに分類されます。
ユーザーが検索してから検索結果が表示され、ページを閲覧するまでに、ブラウザと検索エンジンはそれぞれで以下の役割を担っています。
- ユーザーがブラウザで入力したキーワードが検索エンジンに送られる
- 検索エンジンがキーワードと関連性の高い情報を収集し、そのデータをブラウザに送り返す
- ブラウザが検索エンジンから送られてきたデータを処理して検索結果として表示する
- 検索結果の中で、ユーザーにクリックされたページのプログラムコードをブラウザが解析し、そのコードに基づいてユーザーが閲覧できるかたちで表示する
Edgeでは、検索エンジンにBingが標準で搭載されていますが、検索エンジンはブラウザの設定画面から変更できるため、Google ChromeなどのブラウザでもBingを使用することが可能です。
ここまでで、Bingがどういったものかをお伝えしました。次に、BingAIとは何かをご紹介します。
BingAIとは
BingAIとは、Microsoft社が提供する生成AI技術のことで、検索エンジンのBingに組み込まれています。BingAIは大規模言語モデルの「GPT-4」を搭載しているため、Bingによる検索結果を提供するだけでなく、生成AIによるチャット(Bing Chat)も提供できるようになりました。
ChatGPTでもGPT-4を利用できますが、有料版であるChatGPT Plusにアップグレードする必要があります。そのため、無料で使えるBing Chatはコストパフォーマンスにも優れているといえるでしょう。Bing Chatについては、後ほど詳しくお伝えします。
次に、BingAIがどのような技術かを知るために、BingAIの特徴や強みをご紹介します。
BingAIの特徴
BingAIの主な特徴には、検索機能の強化があげられます。AIの活用により、Bingの検索で得られた結果を要約し、ユーザーが求める情報を簡潔かつ短時間で提供できるようになっています。
また、ユーザーの質問を正確に理解する仕組みが構築されています。具体的には、BingAIでは「Prometheus(プロメテウス)」というMicrosoft独自のAI技術が使われており、Bingが持つ検索結果の情報と、GPTモデルを組み合わせることで、より正確で役立つ情報をユーザーに届けることを可能にしています。
Prometheusは、「Bing Orchestrator(ビング・オーケストレーター)」というコンポーネントを使い、ユーザーの質問をより具体的で答えやすいかたちに細かく分けた「内部クエリ」を自動生成します。生成された内部クエリから、最も答えが見つかりやすい内部クエリを選び、「グラウンディング」という仕組みによってBingのデータベースから答えを探した後に正確性も確認してから出力します。
この仕組みにより、BingAIはユーザーが知りたい内容を深く理解し、正確な回答を返すことが可能となっています。
また、AIが組み込まれたことで、画像の内容を認識できるようになり、画像を用いた検索も可能となりました。従来のテキストベースでの検索とは異なり、画像をアップロードしたり、画像の特定の部分を選択したりすることで、それを認識して関連する情報を提供します。
これにより、テキストでは伝えにくい内容も簡単に検索できます。例えば、行ったことのない場所の画像をアップロードし、地名やその場所に関する情報を検索したり、スクリーンショットの文字を読み取り、その内容をもとに検索したりすることも可能です。
BingAIの強み
BingAIの強みには、検索精度の向上に伴うユーザーの利便性向上があげられます。後ほど詳しくご紹介しますが、BingAIによってユーザーの意図を従来よりも深く理解でき、ユーザーが求める情報を提供できる精度が向上しています。
これにより、ユーザーの利便性が向上し、Bingの世界シェアはBingAIを導入する前の2023年1月に8.85%だったのが、1年後の2024年1月には10.51%まで増加しています。
参考:2015年~2024年 世界のデスクトップ検索市場|Statista
また、回答の際はインターネット上の最新情報をリアルタイムで取得するため、最新のニュースやトレンドに関する質問に回答することも可能となっています。
先述では、BingAIによってBing Chatが提供できるようになったことをお伝えしました。次に、そのBing Chatとは何かについてご紹介します。
BingAIによって実現された「Bing Chat」

Bing Chatとは、GPT-4を搭載したBingAIを技術基盤としてEdgeに追加されたAIチャット機能のことです。
Bing Chatでは、質問に対して回答に適した情報が記載されているページを参照し、参照元とともに生成した回答をチャット形式で表示します。長文の要約や翻訳、文章の作成といったさまざまなことができるため、日々の作業や業務にも活用することが可能です。
ただし、現在ではBing Chatの名称が「Copilot」に変更されています。以下では、その名称変更について詳しくご紹介します。
Bing Chatの名称は「Copilot」に変更されている
先述したように、Bing Chatは現在Copilotに名称が変更されています。具体的には、2023年11月以前は一般ユーザー向けのBing Chatと法人向けのBing Chat Enterpriseが提供されていましたが、2023年11月15日に開催されたMicrosoftの年次イベントである「Microsoft Ignite 2023」で、これらの統合が発表され、名称がCopilotに変更されました。
また、Bing Chat Enterpriseでは、法人のチャットデータを保護するための商用データ保護機能が提供されていましたが、名称の変更に伴い、Microsoft 365の「E3」「E5」「Business Standard」「Business Premium」などのライセンスを所持しているユーザーには、追加費用なしで商用データ保護機能が適用されました。
次に、Bing Chatでは何ができたのかについてご紹介します。
Bing Chatでは何ができたのか
Bing Chatでは、チャット形式でのやりとりや最新情報の取得、イラスト(画像)の生成などが可能になりました。ここでは、これらを含めてBing Chatでは何ができたのかについて詳しくご紹介します。
チャット形式でのやりとり
Bing Chatは、名前の「Chat」が示すとおり、チャット形式で使用できます。テキストボックスから質問や指示を入力することで、その内容に基づいて参照したページ内の文章から回答を生成し、チャットツールのような形式で表示してもらえます。
例えば、「BingAIとは何ですか?」と質問すると、「BingAIとは」の説明が記載されている複数のページを参照し、回答を生成します。得られた回答やこれまでのチャット内容に関する質問もでき、より知識を深めるために質問したり、得られた回答をわかりやすくするために要約してもらったりするといったことが可能です。
質問や指示の意図を理解した正確な回答
Bing Chatは、大規模言語モデルであるGPT-4が組み込まれたBingAIの技術により、ユーザーの質問や指示の意図を理解して正確に回答を返すことが可能です。
従来の検索方法では、ユーザーが検索窓から2〜3語程度のキーワードで情報を検索し、表示された検索結果から疑問や悩みなどが解決できそうなページを自ら選択して閲覧します。
しかし、そのページで解決できなかった場合は、さらに複数のページを閲覧しなければならず、それでも答えが得られないとキーワードを変えて再度検索するといった手間が発生します。
一方で、Bing Chatは文章で細かく質問や指示ができて、チャット形式によって会話のような流れで情報を探せます。そのため、得られる回答が質問や指示の意図と合致しやすく、従来の検索方法に比べて少ない時間と労力で期待する情報を得られるでしょう。
インターネット上での最新情報の取得
Bing Chatは、回答を生成する際にインターネット上にある情報を参照するため、最新の情報に基づいた回答を生成できます。例えば、「2024年12月現在の日本の総理大臣は誰ですか」と質問すると、2024年11月から総理大臣に就任した石破茂総理であると回答してもらえます。
情報収集には最新性が求められることが多いため、インターネット上から最新情報を取得できるのは大きなメリットといえるでしょう。
回答で参照した情報ソースの明示
現代では、さまざまな生成AIツールが誕生しており、日常や業務などで幅広く活用されるようになりましたが、生成AIの回答内容が本当に信頼できるものかどうかを心配する声も多くあります。
Bing Chatでは、回答とともに情報のソースもリンクで明示されるため、回答の信ぴょう性を確かめる際に明示されたリンクからすぐに確認できます。これにより、業務上の資料や文章を作成する際にも根拠となる参考ページを表記できるため、自分で調べる手間の削減や資料などの信頼性向上が可能となるでしょう。
物語の作成
Bing Chatでは、指示に基づいた物語を作成できます。「○○に関する物語を作成してください」のように抽象的な指示でも作成できますが、より具体的にどういう物語を作成してほしいのかを指示することで、それに従ってオリジナルの物語を作成してもらうことが可能です。
作成された物語に対して、内容の追加や修正などの指示も可能なため、期待する内容の物語が作成されるまで何度もやりとりをすることで、より理想に近い物語を作成できます。この機能は、創作活動でのアイデア出しやたたき台の作成にも活用できるでしょう。
イラストや画像の生成
Bing Chatでは、物語だけでなくイラストや画像も生成することが可能です。Bing Chatには、OpenAI社が提供する画像生成モデルの「DALL·E 3」が搭載されており、ユーザーが入力した指示に基づいてイラストを生成できます。
例えば、「○○の画像を生成してください」のように指示することで、指示内容をもとに画像が生成されます。写真のような画像を生成するのは不可能ですが、アニメ風のイラストや水彩画・油絵などのアート、キュビズムなどの絵画技法を取り入れたアートといったさまざまな画風のイラストを生成できます。
物語の作成と同じように、イラストも内容の追加や修正などが可能で、何度もやりとりして理想に近づけることが可能です。デザインのアイデア出しや資料・記事などの挿絵にも活用できるでしょう。
ここまでで、Bing Chatでは何ができたのかについてお伝えしました。しかし、Copilotに変更してから上記の内容は引き続き可能なのか、変わった部分があるのかなどが気になる方もいるでしょう。
そこで、次にCopilotへの変更に伴って変わったことについてご紹介します。
Copilotへの変更に伴って変わったこと
CopilotはBing Chatと同様にBingAIを技術基盤としているため、Bing Chatでできていたことが引き続きCopilotでも可能となっています。
一方で、Copilotへの変更に伴い、チャット回数の制限が緩和されたり、Microsoft 365ツールとの連携が強化されたりするといった変更もありました。
チャット回数に関しては、以前は無料版のBing Chatで1日あたり最大300回までのチャット回数に制限が設けられていました。しかし、Copilotへの変更に伴って制限が解除され、無料ユーザーでも無制限にチャットを利用できるようになりました。ただし、画像生成は以前と同様に1回のチャットあたり最大30枚までという制限が引き続き適用されています。
Microsoft 365ツールとの連携に関しては、Bing ChatではEdgeのサイドバーのみで動作するものであったため、ツール上の内容を直接参照できず、ユーザーが手動で内容をコピー&ペーストして質問する必要がありました。しかし、CopilotになってからはMicrosoft 365 Copilotが新たに提供され、ツール内で直接内容を参照できるようになっています。
Copilotでできることについて詳しく知りたい場合は「Copilotで何ができる?Microsoft 365との活用方法を紹介」の記事をご参照ください。
ここまでで、Bing Chatでできたことや、Copilotの名称変更に伴って変わったことについてお伝えしました。Copilotでできることは幅広くあるため、早速Copilotを利用したいと考える方もいるでしょう。
しかし、Copilotの利用前に知っておくべきポイントがありますので、次でそのポイントをご紹介します。
Copilotの利用前に知っておくべきポイント

Copilotの利用前に知っておくべきポイントには、回答が必ずしも正しいとは限らない、画像生成などに制限があるといったことがあげられます。ここでは、これらのポイントについて詳しくご紹介します。
回答が必ずしも正しいとは限らない
これは生成AI全般にもいえますが、質問に対する回答が必ずしも正しいとは限らないことに注意が必要です。Copilotでは、インターネット上の情報を参照して回答を生成しますが、参照元のページに書かれている内容に誤りがあると、生成される回答も正確ではなくなる可能性があります。
例えば、AIやマーケティングといった情報の移り変わりが激しい分野では、数カ月前まで正しかった情報が現在では誤りとなることがありますが、Copilotが少し前の情報を参照してしまうと、回答が正確ではなくなります。
回答が不正確な可能性がある場合、公式サイトを確認するように促す文言が含まれる傾向がありますが、ユーザー側でも回答が必ずしも正しいとは限らないことを認識し、ソースの確認やファクトチェックを行う習慣をつけるとよいでしょう。
無料版の場合は制限がある
Copilotは無料で利用できますが、無料版の場合は以下の制限があります。
- 1セッションあたりの画像生成は30枚まで
- 画像の生成速度を速くする「ブースト機能」が1日に15回まで
セッションとは、1つのチャット内で連続して会話することです。画像生成の際は1つのセッションで画像の修正をしたいときなども30枚以内に理想の画像を完成できないと、新しいチャット画面(セッション)に移って再度画像生成を指示しなければならなくなります。
画像生成は、ブースト機能によって10〜30秒ほどで生成が可能ですが、無料版の15回を超えるとブースト機能が使えなくなり、生成完了までに数分程度かかってしまうことがあります。有料版にすると100回までブースト機能を使えるようになるため、画像生成を1日に15回以上行うのであれば、有料版にアップグレードするのがおすすめです。
日本語に対応し、PC以外のデバイスでも利用できる
Copilotは日本語に対応しているため、日本語で質問すると回答も日本語で返してもらえます。もし日本語以外で回答された場合は、同じ質問の最後に「日本語で回答してください」と付け加えて再度質問したり、回答の後に同じセッション内で「上記の回答を日本語に翻訳してください」と指示したりすることで日本語の回答が得られます。
また、CopilotはPCだけでなく、タブレットやスマートフォンでも利用可能です。通勤中や外出先などでCopilotに質問する必要がある際にもブラウザやアプリから手軽に質問できるでしょう。
Edge以外のブラウザでも利用できる
BingAIの提供が開始された当初は、Edgeに統合されていたため、ユーザーはEdgeのサイドバーからしか利用できませんでした。しかし、CopilotのWebサイトが公開されてからは、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの主要なブラウザでも利用できるようになり、Edge以外のブラウザを使うユーザーも手軽に利用可能です。
ここまでで、Copilotの利用前に知っておくべきポイントをお伝えしました。Copilotを使う際には注意すべき点もありますので、詳しく知りたい場合は「Microsoft Copilotの使い方を有料版・無料版で詳しく紹介」の記事をご参照ください。
上記のポイントが確認できたら、次にご紹介するCopilotの利用方法を見て、利用を開始しましょう。
Copilotの利用方法
Copilotの利用方法には、Edgeのサイドバーから利用する方法と、CopilotのWebサイトから利用する方法があります。ここでは、これらの手順をご紹介します。
Edgeのサイドバーから利用する方法
CopilotをEdgeのサイドバーから利用する方法は以下のとおりです。
- Edgeを開く
- 画面右上にあるCopilotのアイコンをクリックする
- サイドバーが表示されたら、テキストボックスから質問などを送信することでCopilotと会話できる
CopilotのWebサイトから利用する方法
CopilotのWebサイトから利用する場合は、Google ChromeやSafariなどのブラウザからも利用できます。利用方法は以下のとおりです。
- 「CopilotのWebサイト」にアクセスする
- Copilotのチャット画面が表示されたら、テキストボックスから質問などを送信することでCopilotと会話できる
引用:Copilot
ここまでで、Copilotの利用方法をお伝えしました。しかし、Copilotを使う際のコツがわからないと質問がうまく伝わらず、期待する回答が返ってこないことがあります。そこで、次にCopilotで期待する回答を得るためのコツをご紹介します。
Copilotで期待する回答を得るためのコツ
Copilotで期待する回答を得るためのコツには、具体的に質問することや、参考情報や回答方法を含めることなどがあげられます。ここでは、これらのコツについて詳しくご紹介します。
具体的に質問する
Copilotに具体的な質問内容を伝えることで、Copilotに意図が伝わり、期待する回答を得やすくなります。例えば、5W1Hを明確に示す、文章構成や文字数を指定する、得られた回答をどのように活用するのかをCopilotに伝えるなどがあげられます。
「おすすめの本を教えてください」のようにあいまいな質問は、期待する回答を得られない可能性があるため、最低限「初心者向けに生成AIについて学べるおすすめの本を教えてください」のようにCopilotが何をすべきか理解しやすい質問を心がけましょう。
参考情報や回答方法を含める
質問の際、Copilotが明確な回答を示せるように参考となる情報や回答方法を指定することで回答もより明確になります。
例えば、
Webサイトのサイドバーに設置する広告をデザインする際のアイデアを教えてください。広告に含めたい情報は以下のとおりです。
- 商品名:○○
- 実績:顧客満足度○○%、累計ユーザー数○○人
回答する際は、○○(ツール名)で作成することを踏まえて、その作成手順も示してください。
のように、参考情報や回答方法を伝えると、期待する回答を得られる可能性が高まります。
質問の背景やどのような立場で回答してほしいのかを伝える
質問には、その質問をするに至った背景やどのような立場で回答してほしいのかを伝えることもおすすめです。
例えば、
英会話教室の先生として回答してください。2週間後に海外旅行に行くのですが、旅行中に必要となる基本的な英会話のフレーズを、例も含めて初心者向けに教えてください。
のように、背景と立場を含めて質問をするとより期待する回答が得やすくなります。
「ライターとして」や「面接官として」など、質問に応じて立場を指定し、背景も含めて質問してみるとよいでしょう。
質問の仕方を変えてみる
上記のように具体的な質問を行っても、期待する回答が得られないこともあるでしょう。その場合は、質問の仕方を変えてみてください。例えば、質問の内容にCopilotにしてほしいことが複数ある場合、「○○した後に○○をしてください」のようにCopilotが行うべき手順を分けて指示することで、それに沿って回答を生成してもらえるため、回答の内容を改善できる可能性があります。
期待する回答が得られるまで会話を続ける
1回の質問だけでは、期待する回答が得られないことがあります。特に、質問の内容が複雑になったり、長文になったりすると、指定したことの一部が回答内容に反映されていないといったように、回答の精度が低下することもあるでしょう。
そのため、1回の質問で完璧な回答を得ようとするのではなく、続けて質問することを前提に質問を分ける、回答内容に対して追加したい内容や条件などを指定する、英語で質問するなどの工夫をすることで、期待する回答を得られます。
ここまでで、Copilotで期待する回答を得るためのコツをお伝えしました。Copilotの利用を考えている方の中には、ChatGPTとの違いが気になるという方もいるでしょう。次に、CopilotとChatGPTの違いをご紹介します。
CopilotとChatGPTの違い
CopilotとChatGPTの違いをまとめた表は以下のとおりです。
項目 | Microsoft Copilot | ChatGPT |
---|---|---|
言語モデル | GPT-4 GPT-4 Turbo |
GPT-4 GPT-4o GPT-4o mini OpenAI o1 OpenAI o1-mini OpenAI o1 pro mode |
無料版の言語モデル | GPT-4 GPT-4 Turbo(ピーク時除く) |
GPT-4o mini GPT-4o |
得意分野 | Office製品との連携・情報検索 | アイデア出しなどのクリエイティブ作業・情報検索 |
※2024年12月時点の情報
上記のように、CopilotとChatGPTでは言語モデルや得意分野などに違いがあります。それぞれの違いについてより詳しく知りたい場合は、「Microsoft CopilotとChatGPTの違いを詳しく紹介」の記事をご参照ください。
まとめ
この記事では、BingAIとは何か、BingAIによって実現された「Bing Chat」では何ができたのかなどを詳しくご紹介しました。
BingAIとは、Microsoft社が提供する検索エンジンのBingに組み込まれている生成AI技術のことで、大規模言語モデルのGPT-4を搭載し、生成AIによるチャット(Bing Chat)の提供が可能となっています。
Bing Chatとは、BingAIを技術基盤としてEdgeに追加されたAIチャット機能のことで、チャット形式でのやりとりや最新情報の取得、イラストや画像の生成、長文の要約や翻訳、文章の作成などが可能なため、日々の作業や業務にも活用されていました。
現在では、Bing Chatの名称はCopilotに変更されており、Bing Chatの機能は引き続きCopilotでも利用可能です。また、名称の変更に伴い、チャット回数の制限が緩和されたり、Microsoft 365ツールとの連携が強化されたりするといった変更もありました。
Copilotを利用する前には、回答が必ずしも正しいとは限らないことや、無料版では画像生成などに制限があることなどを知っておくとよいでしょう。期待する回答を得るためには、具体的に質問したり、参考情報や回答方法を含めたりするなどのコツを押さえることが大切です。