
ChatGPTは、文章生成やアイデア出し、分析などのさまざまな作業を効率化できるため、企業においても業務効率化の面で大いに役立ちます。
ほかにも、ChatGPTに健康上のアドバイスを受けたり、業務を進めるにあたっての悩み相談をしたりすることも可能なため、従業員の業務サポートを行う役割としても活躍するでしょう。
この記事では、ChatGPTを企業で利用する際の面白い使い方や活用事例、メリット・デメリット、安全に利用するためのコツなどをご紹介します。
※本記事では、2024年12月時点の情報を掲載しています。
企業で活用できるChatGPTの面白い使い方・活用事例【構成案・文章の生成】
ChatGPTでは、資料やメールの構成案や本文の作成、文章の要約、翻訳などが可能なため、ライティングが必要となる場面で大いに役立ちます。ここでは、構成案・文章生成におけるChatGPTの面白い使い方をご紹介します。
なお、本記事では回答の出力にGPT-4oを使用しています。GPT-4を用いた回答の出力結果や、これまでにChatGPTで使用されていたGPT-3.5についてご紹介している記事もあるため、ぜひご覧ください。
プレゼンテーション資料の作成
ChatGPTにプレゼンテーション資料の概要や用途、文章の長さなどの条件を指定することで、条件に沿ったプレゼンテーション資料の構成案や文章を作成可能です。
例えば、プレゼンテーション資料の構成の作成時は、以下のようなプロンプトが使用できます。
また、ChatGPTには画像生成機能も含まれているため、資料に挿入したい画像やグラフの生成も瞬時に行えます。
プレスリリースの作成
ChatGPTに企業情報やサービス紹介などを伝えることで、プレスリリースに掲載する原稿の構成案や本文を作成できます。効率よくプレスリリースの原稿を作成できることによって、企業のPR活動の活性化などの効果が期待できます。
例えば、プレスリリースの構成案を作成する際は、以下のようなプロンプトが使用できます。
なお、「ターゲットとするメディア」や「メディアの興味を引く情報」などがわからない場合は、プレスリリースの目的や企業・サービス情報などを記載したうえで、「これらの情報をもとに、メディアの興味を引く情報を考えてください」などあらかじめ質問するのも有効です。
メールマガジンの作成
ChatGPTでは、顧客や見込み客に向けたメールの作成も可能です。これらのターゲットに響く文章を作成し、自社への信頼度や商品・サービスへの関心度を高めることで、さらなる売り上げの拡大につなげられるでしょう。
メールマガジンを作成する際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
取引先へ指摘やリマインドする際のメールの作成
取引先の納期が遅れているときや、修正を依頼したいとき、あらかじめ約束した日時に連絡が来ないときなどは、業務を円滑に進めるために指摘やリマインドのメールを送る必要があります。
このとき、強い口調で指摘してしまった場合は、取引先との関係性にも影響を及ぼす可能性があるため、丁寧かつ相手を気遣った文章を心がけることが大切です。このような難易度の高いビジネスメールも、ChatGPTであれば条件を指定するだけで瞬時に生成できます。
例えば、取引先の納期が遅れているときのリマインドメールでは、以下のようなプロンプトを使用できます。
議事録の作成
会議後に会議の要点を整理し、タスクや決定事項などをわかりやすく社内で共有できるよう議事録を作成することも多いでしょう。しかし、うまく内容をまとめられず、議事録の作成に時間を費やしてしまうことも少なくありません。
ChatGPTでは、会議中の音声の文字起こしデータや、会議中に使用したメモなどをもとに議事録を作成することが可能です。ChatGPTで議事録を作成することで、瞬時に会議内容をまとめられるだけでなく、会議中の決定事項やタスクの漏れなども防ぎやすくなります。
文章の校正・校閲やライティングのアドバイス
ChatGPTでは、あらかじめ作成した記事やメールの文章の校正・校閲を行ったり、ライティングのアドバイスをしたりすることが可能です。社内に校正・校閲を行える従業員がいない場合や、第三者からのアドバイスが欲しい場合は、ChatGPTを活用するのもよいでしょう。
文章の校正・校閲やライティングのアドバイスをしてもらう際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
文章の翻訳
ChatGPTでは文章の翻訳も可能で、外国語の文章を瞬時に自然な日本語に変換したり、日本語の文章を外国語に変換したりできます。
翻訳サイトなどを使用すると文字数に制限がかかり、分割して翻訳させなければならないケースもありますが、ChatGPTではこれらの翻訳サイトよりも多くの文字数を一度に送信できるだけでなく、ドキュメントのファイルごと送信して翻訳してもらうことも可能です。
例えば、OpenAI社の利用規約を翻訳する場合、以下のようなプロンプトが使用できます。
資料や原稿の要約
「文章の翻訳」でも触れたように、ChatGPTではチャット画面にMicrosoft WordやExcel、PowerPoint、PDFなどのファイルを添付し、中身を読み取ってもらえるため、ページ数の多い資料や原稿の要約も素早く行えます。資料に目を通す時間がない場合や、要点のみ把握したい場合などは、ChatGPTを活用して要約してもらうのがおすすめです。
例えば、総務省が提供する「令和5年版 情報通信白書」内の「第6節 ICT利活用の推進」のPDFファイルを読み込ませて要約を依頼する場合、以下のようなプロンプトを使用できます。
コードや関数の作成・修正
ChatGPTでは、プログラミングやマークアップなどに用いるコード、Excelなどの表計算ツールで用いる関数の作成や修正が行えます。「ページ上でこのような動作を起こしたいが、実装の仕方がわからない」「関数を記述したものの、うまく動作しない」といった場合も、ChatGPTにサポートしてもらうことによって、コードの作成や修正に手間取ることなく作業を進められるでしょう。
例えば、新たにコードを作成したいときは、以下のようなプロンプトを使用できます。
ただし、ChatGPTで生成されたコードや関数の精度は高いものの、100%完璧なものを作れるわけではないため、必ずテスト環境での動作確認を行いましょう。
企業で活用できるChatGPTの面白い使い方・活用事例【アイデア出し・分析】

ここまで、ChatGPTの文章生成機能を用いた、企業で活用できる面白い使い方をご紹介しました。文章生成以外にも、ChatGPTはアイデア出しや分析も得意としているため、以下のような使い方でも役立ちます。
適切な会議参加者の選定サポート
ChatGPTでは、プロンプトに入力した会議情報をもとに、誰を会議に参加させるのが適切であるかを判断できます。参加の必要がない従業員を会議に参加させてしまうことによって、そのほかのコア業務の進捗に影響が出る場合もあるため、必要な参加者のみを適切に選ぶことが大切です。
なお、プロンプトには会議の目的や会議の内容、会議時間、参加者の候補などを記述することで、ChatGPTが会議内容を理解し、どのような従業員が参加すべきかをアドバイスしやすくなります。
会議参加者の選定時は、以下のようなプロンプトを使用できます。
アイスブレイクのネタ集め
会議や商談、インタビューなどを行う際は、本題に入る前にアイスブレイクを行うことで、場の緊張を和らげ、相手との距離も縮めやすくなります。しかし、アイスブレイクのネタが見つからない場合や、どのように話したらよいかわからない場合もあるのではないでしょうか。
このようなときにも、ChatGPTを活用することで、アイスブレイクのネタや、相手からの興味を引ける話し方のアドバイスをもらえます。
アイスブレイクのネタ集めでは、以下のようなプロンプトを使用できます。
商談のロールプレイング
営業活動に慣れていない場合や、商談の本番で緊張してしまい思うように話せないという方は、ChatGPTを用いてロールプレイングを行うのもおすすめです。自分が営業役、ChatGPTに顧客役を担当してもらい、実際の商談のようにやりとりを進めましょう。ChatGPTを用いたロールプレイングは、通勤途中などの隙間時間にも行いやすいため、空いた時間に気軽に商談の練習ができるでしょう。
商談のロールプレイングを行う際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
外国語の学習
ChatGPTは、語学学習にも活用でき、会話練習や問題の作成、作成した文章の添削、文法の解説などを行えます。ビジネスにおいて外国語を使う機会の多い方は、語学学習にChatGPTを活用することで、空いた時間に気軽に外国語のインプットやアウトプットができるでしょう。
例えば、英語の文法をChatGPTに質問する際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
経費削減の案出し
事業を円滑に進め、利益をなるべく増加させるためには、不要な経費を削減することが大切です。しかし、経費削減に取り組もうと思っても、具体的に何を行えばよいかアイデアが浮かばないことも多いのではないでしょうか。このようなときには、ChatGPTに企業の現状やどのくらい経費を削減したいかを伝えることで、具体的な経費削減の効果が見込める取り組みを提案してもらえます。
経費削減の案出しを行う際は以下のようなプロンプトを使用できます。
社内研修の内容考案
社内研修をどのようなテーマで行うかのアイデア出しや、テーマに基づく研修内容の考案などにも、ChatGPTを活用できます。「毎月行っている社内研修のテーマが決まらない」「テーマは決まっているものの何を話せばよいかわからない」といった場合は、ChatGPTにサポートしてもらうことで、スムーズに研修内容を決定できるでしょう。
例えば、社内研修の内容を考案する際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
新規事業・新商品の企画
新規事業や新商品を企画する際に、ChatGPTからも提案してもらうことで、有効なアイデアを得られる可能性があります。アイデア出しに行き詰まった際や、とにかく多くのアイデアを集めたい際には、ChatGPTからアイデアをもらうことで効率よく豊富なアイデアを得られます。
例えば、新規事業を立ち上げる際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
なお、アイデアの中から気になるものがあれば、個別に取り上げてアイデアの詳細や機能を尋ねたり、サービス名・商品名の案を出してもらったりすることも可能です。

引用:ChatGPT
データ分析
ChatGPTでは、WordやPowerPoint、Excelのファイルなどを読み込ませて指示を出すことで、ファイルの内容を読み取り、分析を行ったり、データをもとにグラフを作成したりすることが可能です。
例えば、CSVファイルを読み込ませて分析を行う際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
なお、データが記載されたファイルだけでなく、以下のように画像を読み込ませて画像の内容を分析することも可能です。

引用:ChatGPT
レビューに基づく商品やサービスの分析・改善提案
自社で商品やサービスを提供していたり、店舗を運営したりしている場合は、顧客からのレビューや評価の分析をChatGPTで行うのがおすすめです。例えば、ECサイトであるAmazonで商品を販売している場合は、星評価やレビューなどのデータをダウンロードし、ChatGPTに読み込ませることで、ユーザーからの評価の分析や、レビューに基づく商品やサービスの改善提案を出力してもらえます。
例えば、Amazonで抽出できる星評価やレビューのデータをChatGPTに分析してもらう際には、以下のようなプロンプトを使用できます。
手土産やプレゼントの提案
顧客の企業へ訪問する際の手土産や、社内表彰やイベントを行う際のプレゼントのアイデアも、ChatGPTから提案してもらえます。幅広い視点でのアイデアを得ることで、顧客や従業員の喜ぶ手土産やプレゼントを選びやすくなり、信頼関係を強化できるきっかけにもなるでしょう。
例えば、社内表彰のプレゼントのアイデアをもらう際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
ロゴの作成
ChatGPTには「DALL·E 3」という画像生成AIが搭載されており、プロンプトの内容に沿った画像を生成できます。「森の中に建つ白い家の水彩画」「雪の上を走る少年のアニメ風のイラスト」のようなイラストの生成以外にも、ChatGPTでは以下のようにロゴの作成も可能です。

このようなロゴの作り方については、DALL·E 3の使い方などを詳しく説明した記事にてご紹介しているため、ぜひあわせてご覧ください。
仕事の相談
ChatGPTは、「仕事の成績が思うように伸びない」「仕事でこのようなことがしたいけれど、うまくいかない」「この業務をもっと効率化させたい」といった仕事の相談相手にもなってくれます。上司に相談するには上司のスケジュールも確認して予定を合わせる必要がありますが、ChatGPTなら24時間365日好きなタイミングで気軽に相談可能です。
例えば、ChatGPTに仕事の相談をする際は、以下のようなプロンプトを使用できます。
ただし、ChatGPTに相談する際は、入力した内容がモデルの学習のために使われてしまう可能性があるため、プロンプトに個人情報や自社の機密情報、顧客情報などを書き込まないようご注意ください。
ChatGPTに読み込ませたデータを学習に使用させないようオプトアウト設定を行う方法は、後述の「機密情報を扱う場合はオプトアウト設定をする」にてご紹介しています。
健康状態の相談やアドバイス
ChatGPTに自身の現在の体調や、普段の過ごし方などを伝えることで、健康に関するアドバイスをもらえます。もちろん、正確な診断を受けるには病院への受診が最適ですが、「デスクワーク中心の生活でどう運動習慣をつけるか」「最近肩こりがひどい」といった軽い相談に対するアドバイスを受けたい際に役立ちます。
例えば、自身の身長や体重、生活環境などをChatGPTに伝え、健康上のアドバイスをもらう際には、以下のようなプロンプトを使用できます。
企業で活用できるChatGPTの面白い使い方・活用事例【自動化】
ChatGPTでは、文章生成やアイデア出し、分析以外にも、GPTsなどの機能を活用することでチャットボットを作成し、特定の作業を自動化できます。具体的な使い方の例は、次のとおりです。
取扱説明書やマニュアルのチャットボット化
ChatGPTでは、ユーザーが作成したChatGPTを使用できる「GPTs」機能があります。無料ユーザーでも自由にGPTsを利用できますが、有料版のユーザーは、GPTsの利用に加え、自身でカスタマイズしたオリジナルのGPTsを、以下のようにChatGPTとやりとりすることで作成できます。

引用:ChatGPT
このとき、普段社内で使用する機器の取扱説明書や、業務マニュアルなどを読み込ませたGPTsを作成することで、ChatGPTが取扱説明書の内容を踏まえて回答できるチャットボットとして機能するでしょう。
例えば、機器に不具合が見られた際に、GPTsに「赤いランプが点滅するのはどのような状態?」など質問することで、GPTsが取扱説明書の中から機器の赤いランプが点滅する際に考えられる状態を検索し、「バッテリーが不足している」「本体にごみがたまっている」などの回答をすぐに得られるため、自身で取扱説明書を読んで該当の項目を探し出す手間が省けます。
サポート窓口の自動化
ChatGPTのAPIを活用して開発中のツールなどにChatGPTの機能を搭載し、チャットボットとして利用できるようになることから、社内外での問い合わせ対応を行うサポート窓口を自動化できます。これにより、社内外で従業員や顧客対応を行うヘルプデスクの業務負担を軽減できるでしょう。
なお、ChatGPTのAPIを利用するには、あらかじめOpenAI APIのアカウント登録と、APIキーの取得が必要になります。
ChatGPTをさらに業務で活用する方法
ここまで、企業で活用できるChatGPTの面白い使い方をご紹介しました。上記の使い方を含めて、ChatGPTをさまざまな用途で活用するためには、以下の方法も取り入れてみることをおすすめします。
プロンプトを詳細に記述する
ChatGPTは、チャット形式での簡単なやりとりで会話を進められる点が強みですが、画像生成や分析など精度の高さが求められる作業を行う際は、ChatGPTにどのように出力してほしいのかを詳細にプロンプトに記述し、コントロールする必要があります。
記述内容があいまいでもChatGPTからは出力してもらえますが、意図した結果が得られなかったり、プロンプトの内容が反映されていなかったりする場合があるため、なるべく少ないやりとりで欲しい回答を得るには、あらかじめプロンプトを詳細に記述することが大切です。
有料版のプランを利用する
ChatGPTでは無料版のユーザーでも基本的なチャットでのやりとりに加えて、画像生成やファイルの添付など豊富な機能が利用できますが、一定時間内に行える質問回数や入力できる文字数に制限があります。このとき、有料版のプランにアップグレードすることで、これらの制限が大幅に緩和されるため、画像を多く生成したい場合や、長文のプロンプトを効率よく送信したい場合は、有料版のプランもご検討ください。
無料版のChatGPTにおける回数制限や、有料版との違いについてご紹介している記事もあるため、ぜひご覧ください。
企業でChatGPTを利用するメリット

ここまで、ChatGPTをさらに業務で活用するための方法をご紹介しました。ChatGPTは、企業で活用できるさまざまな使い方があるだけでなく、業務効率化などのメリットもあります。ChatGPTを企業で利用するメリットについて詳しくは、次のとおりです。
業務効率化や作業品質の向上
ChatGPTでは、文章生成や要約など、人間が手作業で行うとある程度の時間を要する作業を瞬時に行えるため、業務効率化につながります。また、文章の校正・校閲やコードの生成サポートなどを行ってもらうことで、作業に不慣れな従業員も一定のクオリティを保って作業できるようになることから、社内の作業品質の向上も期待できるでしょう。
ただし、ChatGPTから出力される内容はすべてが正確な内容であるとは限らないため、必ず自身の目で内容の整合性を確かめる必要があります。
人手不足の解消や業務負担の軽減
「企業で活用できるChatGPTの面白い使い方【自動化】」でもご紹介したように、ChatGPTを用いることで、問い合わせの受付など一部の業務を自動化でき、人間の代わりとしての稼働が可能になることから、人手不足の解消につながります。
また、定型的な作業などをこれまでは人間が担当し、そのほかのコア業務を行う時間が圧迫されていた場合も、ChatGPTに代わってもらうことで、各担当者にかかる業務負担を減らせるでしょう。
企業でChatGPTを利用するデメリット
ここまで、企業でChatGPTを利用するメリットをご紹介しました。業務効率化が期待できるといったメリットがある一方で、回答内容が不正確なことによる業務ミスなどを引き起こすリスクがあるなどのデメリットもあります。企業でChatGPTを利用するデメリットについて詳しくは、次のとおりです。
出力内容をうのみにすることによる業務のミス
ここまでご紹介したように、ChatGPTでは100%正確な回答を常に出し続けられるわけではないものの、間違った内容を事実であるかのように語る「ハルシネーション」を起こしながら回答が出力されることがあるため、「明らかに間違ったことを言っている」と判断しづらい場合があります。
一見正しく見える誤った回答をうのみにしてしまい、業務のミスや法的な問題などにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
不適切な回答が生成されるリスク
ChatGPTはビジネスにおけるさまざまなジャンルの質問に対応していますが、分野によっては学習データが偏り、倫理的に不適切な回答や、偏見の強い回答が生成される可能性があり、このような回答内容をそのまま業務で使用してしまうと、企業への信頼の低下につながるリスクがあります。
ChatGPT側でもこれらの回答を制限するようコントロールされているものの、完全に防ぐことは難しいため、ChatGPTから生成された回答は中身をよく読まないまま使用するのではなく、必ず一度目を通して不適切な内容が含まれていないか確認しましょう。
企業でChatGPTを安全に使うためのコツ
ここまで、企業でChatGPTを利用するメリットやデメリットをご紹介しました。最後に、これらの内容を踏まえて、企業でChatGPTを安全に使うためのコツをご紹介します。
従業員のリテラシーを強化する
業務でChatGPTを使用する際は、従業員一人ひとりが適切に活用し、誤った情報をそのまま採用することによる業務ミスなどを防げるよう、AIに対するリテラシーを強化する必要があります。
そのため、ChatGPTを利用したことのない従業員や、具体的な活用方法や適切な使い方を理解していない従業員が社内に多い場合は、研修などを通して、社内全体でChatGPTに関する知識や利用することによるリスク、注意点などを理解してもらうことが大切です。
ChatGPT利用時のマニュアルをまとめる
ChatGPTを業務で安全に使用できるよう、社内でマニュアルを用意しておくことも重要です。
「社内でのどの作業にChatGPTを使用してよいのか」「使用する目的」「倫理的に問題のある内容」「生成されたデータの扱い方」「プロンプトに書き込んでよい情報」などを細かくまとめておくことで、各従業員が誤ったChatGPTの使い方で業務を進めたことによる業務ミスやセキュリティリスクを防げるでしょう。
機密情報を扱う場合はオプトアウト設定をする
ChatGPTでは、入力された内容がChatGPTのモデルの学習のために使用されることがあります。個人情報や機密情報を書き込んでしまうと外部に流出する恐れがあるため、そのような情報を扱う場合はオプトアウト設定を行いましょう。
ChatGPTでオプトアウト設定を行う方法は、以下のとおりです。
まとめ
この記事では、ChatGPTを企業で利用する際の面白い使い方や活用事例、メリット・デメリット、安全に利用するためのコツなどをご紹介しました。
ChatGPTは、文章の生成や要約、翻訳、アイデア出し、分析などの豊富な機能を持つため、メールや議事録の作成、商談のロールプレイング、データ分析といったさまざまな業務に活用できます。
企業での業務効率化などに役立てる際は、ChatGPTによって生成される内容が必ずしも正確でない点や、倫理的に不適切な回答が生成される点などにも注意しながら、慎重に利用することが大切です。