
生成AIツールが多く誕生している現代で、「Perplexity」というツールが注目されており、名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。しかし、Perplexityは海外発のサービスであるため、日本語で利用できるのか気になる方もいるでしょう。
そこで、この記事ではPerplexityの概要や使い方、日本語で利用する方法と注意点などを詳しくご紹介します。
※本記事は、2024年12月時点の情報をもとに作成しています。
Perplexityとは

Perplexity(パープレキシティ)とは、対話形式で情報を検索できるAI検索エンジンです。「AIツール おすすめ」のようにキーワードで検索する一般的な検索エンジンとは異なり、「○○についての情報を教えてください」のように文章で検索できることがAI検索エンジンの特徴です。
Perplexityは海外発のサービスですが、日本語にも対応しています。無料版ではPerplexity独自のモデルが搭載されており、有料版ではGPT-4oやClaude 3といったモデルを選択することが可能です。
ChatGPTとの違い
Perplexityは、世界中で多くのユーザーが利用している「ChatGPT」とどのような違いがあるのかわからない方もいるでしょう。
PerplexityとChatGPTは、機能や回答を生成する際に使用する言語モデルが異なります。
機能に関しては、Perplexityは検索エンジンとしての機能に特化しており、インターネット上の情報を収集して回答を生成しますが、ChatGPTは汎用性が高い対話型AIとして、文章・画像生成や推論などの用途で活用できます。
有料版で回答に使用する言語モデルに関しては、有料版のPerplexityは複数社のモデルを使用していますが、ChatGPTは有料版でもOpenAI社のモデルのみを使用しています。そのため、Perplexityでは複数社のモデルを使い分けたり、同じ質問でも異なる視点や解釈を持った回答を得たりすることが可能となるでしょう。
次に、Perplexityの有料版を使う場合の料金をご紹介します。
Perplexityの有料版を使う場合の料金
Perplexityには、Perplexity独自のモデルのみを使用できる無料版と、GPT-4oやClaude 3といった高性能なモデルを使用できる有料版の「Perplexity Pro」が提供されています。
Perplexity Proの料金は以下のとおりです。
- 月払いの場合:20ドル
- 年払いの場合:200ドル
また、Perplexity Proでは、以下の機能が利用できるようになります。
- 1日300回以上、Pro検索機能を使用可能
- 無制限のファイルアップロードが可能
- 高性能なAIモデル(GPT-4o、Claude 3、Mistral Largeなど)を選択可能
- Playground AI、DALL·E、SDXLなどを使用した回答の可視化が可能
日々の業務や作業でPerplexityをよく使う方は、上記の機能を利用できるPerplexity Proにアップグレードするのがおすすめです。また、年払いにすると月払いを1年間続けるよりも2カ月分料金が安くなるため、長期的に使う場合は年払いで契約したほうがお得といえるでしょう。
次に、Perplexityの特徴をご紹介します。
Perplexityの特徴

Perplexityには、インターネット上の最新情報から回答を生成したり、回答とともに情報ソースのリンクが明示されたりするなどのさまざまな特徴があります。ここでは、これらの特徴について詳しくご紹介します。
ログインをせずに利用できる
Perplexityは、アカウント登録やログインなしで手軽に利用できます。現代ではさまざまなAIツールがありますが、中には利用する際にアカウントの登録やログインが必要となり、手軽に利用しづらいものも多くあります。
しかし、Perplexityではその必要がないため、今すぐに利用したいという方にもおすすめのツールとなっています。ただし、アカウント登録やログインをすると、1日に5回までCopilotを使用できるといったように、同じ無料版でも使用できる機能が増えるため、アカウント登録やログインをして利用するのがおすすめです。
インターネット上の最新情報から回答を生成する
Perplexityでは、インターネット上の最新情報をソースとして回答を生成します。これにより、トレンドや最新の話題などにも対応し、古い情報による誤ったインプットを行うリスクが大幅に軽減できます。
特に、ビジネスなどの最新かつ正確な情報をインプットする必要がある場面では、従来の検索結果に表示されたページを個別に閲覧して情報収集する手間が省け、必要な情報を短時間で得られるようになります。
ただし、最新情報から回答を生成しているため、検索する時期が変わると同じ質問でも回答が異なる可能性がある点は認識しておくとよいでしょう。
回答とともに情報ソースのリンクが明示される
Perplexityでは、回答内容とともに回答に使用した情報ソースのリンクが明示されるため、何の情報を参考にしたのかを確認できます。信頼性が求められる資料や文章を作成する際にも、情報源を確認できるため、文章の信頼性を向上させられるでしょう。
回答のソースは、回答内容の上に「ソース」として表示されており、クリックするだけで情報の確認が可能です。また、「Show all」を選択すれば、すべてのソースがリストで表示されるため、内容の詳細を調べられます。これにより、得られた回答が正しいかどうかを、情報源の信頼性も含めて判断しやすくなります。
生成AIを使用する際には、回答がいかに正確で信頼できるものかを判断する必要があるため、情報ソースのリンクが明示されることで、回答に関する情報を自ら調べる手間を大幅に削減できるでしょう。
対話の履歴をURLで保存できる
Perplexityでは、対話の履歴をURLで保存できる機能があります。具体的には、チャット画面に表示されている「共有」ボタンをクリックすることで、質疑応答の結果を記録したURLが生成されます。このURLにより、過去のやりとりを振り返ったり、第三者と共有したりすることが可能になります。
通常の検索エンジンは同じキーワードで検索しても、時期が違うと表示される検索結果も異なってしまいますが、Perplexityの保存機能により履歴をもとにした確認作業や共有が求められる場合にも役立ちます。最新情報を得たい場合は、新しいチャット画面で再度同じ質問をすることで最新情報から回答を生成してもらえるため、最新の回答との違いを比較する際にも便利です。
ファイルをアップロードして処理を行える
Perplexityは、txt形式のファイルやPDFなどのファイルをアップロードして処理を行えます。この機能を活用すると、論文を要約したり、英文のファイルを翻訳したりすることが可能になります。
また、業務上で使用した膨大なテキストファイルから情報を探す場合にも、必要な情報を素早く抽出できます。この機能は、電子データで文書を保存することが多くなった現代において、時間の短縮や業務の効率化にも貢献するでしょう。
日本語に対応している
Perplexityは、さまざまな言語に対応しており、日本語にも対応しているため英語が苦手な方でも気軽に利用できます。ツールが公開された当初は日本語の質問を正確に理解できなかったり、回答が英語になったりしていました。しかし、現在では日本語での処理能力が向上しており、快適に利用することが可能です。
また、英語で回答された場合でも日本語に変換するように指示することで、日本語での回答を提示してもらえます。専門知識が必要な場面や日々の業務における疑問解消の際にも大いに役立つでしょう。
ここまでで、Perplexityの特徴をお伝えしました。次に、Perplexityの使い方をご紹介します。
Perplexityの使い方
Perplexityは、Perplexityの公式ページにアクセスすることで利用でき、インターネットに接続されている環境であればデバイスを問わずに検索を行えます。
検索の手順としては、Perplexityにアクセスし、「何か質問してください...」と表記されている部分に質問文を入力するだけです。

引用:Perplexity
通常の検索のようにキーワードだけで入力したり、文章で調べたい内容を入力したりと入力方法を変えてもしっかりと理解して回答を提示してもらえます。
※「perplexityとは」のキーワードのみで検索した場合

引用:Perplexity
※「perplexityとはどのようなサービスですか?」の文章で質問した場合

引用:Perplexity
ファイルをアップロードして検索を行う場合や、対話の履歴を保存する場合などはアカウントの登録やログインが必要になるため、画面左側のメニューバーの下部にある「新規登録」または「ログイン」からアカウントを作成または追加しましょう。

引用:Perplexity
ここでは、Perplexityの使い方をお伝えしました。次に、Perplexityを日本語で利用する方法について具体的にお伝えします。
Perplexityを日本語で利用する方法
Perplexityを日本語で利用する際に特別な設定は不要ですが、日本語で回答を返してもらうには、日本語で質問したり、日本語で回答するように指示したりすることなどが必要になります。ここでは、日本語での利用方法について詳しくご紹介します。
日本語で質問する
Perplexityは、検索に使用された言語を分析し、適切な言語で回答することが可能です。そのため、日本語の回答を得たい場合は、日本語の質問文で検索するとよいでしょう。
例えば、「Perplexityはどういうサービスですか」と検索すると日本語で回答してもらえますが、「What kind of service is Perplexity?」と英文で検索すると英語で回答が返ってきます。
先述したように、ツールが公開された当初は日本語の質問を正確に理解できなかったり、回答が英語になったりしていましたが、現在はアップデートによって日本語でもほぼ快適に使えるようになっています。
日本語で回答するように指示する
日本語で検索をすることで、日本語で回答してもらえますが、質問文に英語が多く含まれていると英語で回答してしまうこともあります。この場合は、質問文に「日本語で回答してください」といった日本語を指定する文言を含めることで、日本語で回答してもらえるようになります。
そのため、質問文には日本語で回答するように指定することを心がけることで、より確実に日本語での回答が生成されるでしょう。
英語の回答を翻訳する
日本語の質問文で検索したり、日本語を指定する文言を含めたりしても、質問文によっては英語で回答されることがあります。
この場合は、英語での回答を日本語に翻訳するのがおすすめです。Google 翻訳などの翻訳ツールに回答内容をコピー&ペーストすることで日本語に翻訳できますが、Perplexityで英語の回答が返ってきた直後に「上記の回答を日本語に翻訳してください」と指示して、回答を日本語で出力してもらうことも可能です。
ただし、どちらの方法も翻訳した結果不自然な日本語になることがあるため、この場合はDeepLなどの外部の翻訳ツールを使用して回答を翻訳してもらうとよいでしょう。
ここまでで、Perplexityを日本語で利用する方法についてお伝えしました。しかし、日本語で利用する際は注意すべき点もあります。次に、その注意点をご紹介します。
Perplexityを日本語で利用する際の注意点
Perplexityを日本語で利用する際は、検索の精度が低下する可能性があることや、変換や改行をする際に誤送信しやすいことなどに注意が必要です。ここでは、日本語で利用する際の注意点について詳しくご紹介します。
回答の精度が低下する可能性がある
Perplexityは日本語に対応していますが、英語圏で開発・アップデートが進められているツールのため、日本語への対応が完全ではない場合があります。
特に専門性が高かったり、情報源が少なかったりすると、回答が正確ではなくなる可能性があります。また、一般的な内容には十分に対応していますが、このような内容に対する回答は日本語の表現に違和感が生じることもあるでしょう。
そのため、上記の内容について調べる際は、Googleなども併用して回答が正確かどうかをチェックすることが大切です。英語圏のほうが情報が多い場合は、英語で質問してみるのをおすすめします。ただし、質問文を作成する際に、翻訳ツールで英語にすると意図した質問とは異なるかたちになってしまう恐れがあるため、注意が必要です。
英語で検索した場合との回答に差が出ることがある
日本語で検索した場合と英語で検索した場合の回答には差が出ることがあります。先述したように、専門性が高かったり、情報源が少なかったりする場合は英語圏のほうが情報が充実していることが多いため、日本語と英語で同じ質問をしても回答内容の正確性や充実度は異なるでしょう。
また、日本と海外での文化や考え方が異なることも、回答に差が出る要因となります。例えば、コミュニケーションの取り方において、日本では相手の意図や場の空気を察し、直接的な表現でのコミュニケーションを避けることが一般的ですが、海外では自分の意見をはっきりと述べ、明確かつ直接的なコミュニケーションを取る傾向があります。
この場合、「コミュニケーションにおいて大切なことは何ですか」と質問すると、答えが日本と海外によって異なるため、日本語と英語での回答に差が出やすくなるでしょう。
文化・考え方などに関わる質問も日本語と英語での回答に差が出やすいことを考慮して、両方の言語で質問してみると参考にできる情報の幅が広くなります。
日本語の回答を指示しても英語で回答されることがある
先述したように、日本語の質問文で検索したり、回答を日本語に指定しても英語で回答されたりすることがあります。
また、情報のソースが日本語でも回答は英語でされることもあるため、この場合は翻訳ツールで翻訳する、「上記の回答を日本語に翻訳してください」と指示する、ソースに表示されたサイトを閲覧するなどで、日本語で情報を得られるような対処が必要です。
ただし、現在でも上記のように英語で回答されることは少なくなっていますが、Perplexityは日々アップデートされているため、日本語でもさらに使いやすくなるように改善されていくでしょう。
日本語の変換や改行をする際に誤送信しやすい
Perplexityを日本語で使用する際、入力した文章の変換や改行をするときなどにキーボードの「Enter」を押すことがあるでしょう。しかし、PCブラウザ版のPerplexityではEnterが送信を意味するため、変換後に1回多くEnterを押したり、改行の際にEnterを押したりすると質問文を入力している途中でも文章が送信されてしまいます。
英語の場合は漢字への変換といった手間がないためスムーズに利用できますが、日本語の場合は使い慣れていないと操作性がやや不便に感じることもあるため注意が必要です。変換の際にEnterを多く押さない、改行の際は「Shift」+「Enter」を押すように心がけるとスムーズに使えるようになるでしょう。
ここまでで、Perplexityを日本語で利用する際の注意点をお伝えしました。次に、代表的なツールとしてあげられる、ChatGPT・Microsoft Copilot・Geminiとの違いやそれぞれの概要をご紹介します。
Perplexityと代表的な生成AIツールの違い
Perplexityと代表的な生成AIツールであるChatGPT・Microsoft Copilot・Geminiの違いをまとめた表は以下のとおりです。(※2024年12月時点)
項目 | Perplexity/a> | ChatGPT | Microsoft Copilot | Gemini |
---|---|---|---|---|
提供元 | Perplexity | OpenAI | Microsoft | |
言語モデル | Perplexity独自のモデル GPT-4o GPT-4 Turbo Claude 3 Experimental Mistral Large |
GPT-4 GPT-4o GPT-4o mini OpenAI o1 OpenAI o1-mini OpenAI o1 pro mode |
GPT-4 GPT-4 Turbo |
Gemini 1.5 Flash Gemini 2.0 Flash Experimental Gemini 1.5 Pro |
無料プランで利用できるモデル | Perplexity独自のモデル | GPT-4o mini GPT-4o |
GPT-4 GPT-4 Turbo (ピーク時除く) |
Gemini 1.5 Flash Gemini 2.0 Flash Experimental |
有料プランの料金 | 月額20ドル 年額200ドル ※Perplexity Pro |
月額20ドル ※Plusプランの場合 |
月額3,200円 ※Copilot Proの場合 |
月額2,900円 ※Gemini Advancedの場合 |
アカウント登録 | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 |
情報元の記載 | あり | あり | あり | なし |
※料金プランや言語モデルの制限などを詳しく知りたい場合は、各公式サイトをご参照ください。
OpenAI社が提供するGPT-4について詳しく知りたい場合は、「ChatGPTのGPT-4とは?主な使い方や使用時の注意点を紹介」の記事をご参照ください。
Perplexityと、これらの代表的な生成AIツールにどのような違いがあるかをより詳しく理解するために、以下ではChatGPT・Microsoft Copilot・Geminiの概要を詳しくご紹介します。
ChatGPT
ChatGPTとは、人工知能研究機関であるOpenAI社が開発した対話型の生成AIツールです。ユーザーが入力した質問や指示に基づいて自然な文章で回答を生成するため、人間と話すような感覚で活用できます。
「GPT」という高度な言語モデルを搭載しており、膨大なデータを学習しているため、さまざまなトピックや複雑な質問にも対応可能です。例えば、文章作成や要約、翻訳だけでなく、小説や詩の創作からプログラムのコード生成などにも幅広く利用できます。
また、画像生成AIの「DALL·E 3」との連携により、指示に基づいた画像生成も可能となっています。このように、テキストや画像の創作が可能なことから、個人だけでなくビジネスにも活用されています。
DALL·E 3について詳しく知りたい場合は、「DALL·E 3(DALLE3)とは?使い方や理想の画像を生成するポイントを紹介」をご覧ください。
Microsoft Copilot
Copilotとは、Microsoft社が提供する生成AIツールです。GPTの言語モデルを搭載しており、検索エンジンの「Bing」と連携しているため、質問に対してインターネット上の情報を参照して回答を出力します。
Microsoft アカウントのプランによっては、Microsoft WordやExcel、OutlookといったMicrosoft 365のソフトに「Microsoft 365 Copilot」が組み込まれており、各ソフトでの作業をCopilotがサポートします。
例えば、Microsoft 365 Copilotによって、以下の作業が可能になります。
ソフト名 | できること |
---|---|
Word |
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Excel |
|
PowerPoint |
|
Outlook |
|
Teams |
|
OneNote |
|
また、開発者向けにGitHubが開発した「GitHub Copilot」というプログラミング支援ツールも提供されています。
これらのCopilotを搭載したツールにより、業務負担の軽減や生産性の向上が可能となり、コア業務により多くの時間を割けるようになるでしょう。
Copilotでできることについて詳しく知りたい場合は、「Copilotで何ができる?Microsoft 365との活用方法を紹介」の記事をご覧ください。
Gemini
Geminiとは、テキストや画像だけでなく、音声や動画といった幅広い形式のデータを処理できる生成AIツールです。2023年12月にリリースされ、「Gemini」というGoogle独自の言語モデルを搭載していることから、ChatGPTを超える可能性があると注目を集めました。
2024年2月に、最大100万トークンのデータを一度に扱える「Gemini 1.5 Pro」が登場し、5月には日本語を含む35以上の言語に対応した「Gemini Advanced」での利用が可能となりました。12月には、さらに性能が強化された「Gemini 2.0」を公開し、Gemini 2.0 Flash Experimentalが利用できるようになっています。
まとめ
この記事では、Perplexityの概要や使い方、日本語で利用する方法と注意点などをご紹介しました。
Perplexityとは、対話形式で情報を検索できる無料のAI検索エンジンで、海外発のサービスながら日本語にも対応しています。インターネット上の最新情報から回答を生成する、回答とともに情報ソースのリンクが明示されるなどのさまざまな特徴があり、ログインせずに手軽に利用することが可能です。
Perplexityを日本語で利用するには、日本語で質問したり、日本語で回答するように指示したりするといった方法があげられます。ただし、日本語での検索は精度が低下する可能性があることや、変換や改行をする際に誤送信しやすいことなどに注意するとよいでしょう。